先に今日イベントの宣伝から。
ライブ&トークイベント「カフェスロージャッ9」
時間:18:30(開場18:00)~21:00
場所:カフェスロー(東京都府中市栄町1-20-17/042-314-2833)
http://www.cafeslow.com/
参加費:予約1800円/当日2000円(ともにワンドリンクつき)
※予約先:042-314-2833(カフェスロー)
トーク:相澤恭行(PEACE ON)/松村真澄(ピースボート)
ライブ:ピースフルベジタリアンズ/櫛田寒平/風義/幸
主催:9LOVE(クラブ)
http://www.9love.org/
(友の絶望の続き)
「あまりの衝撃に混乱して、なんて書いていいかわからず、すぐに返事が出せなかった。家族に起こった事については、僕も本当に驚いたし、君の衝撃はさらに大きかっただろう。あんなことを聞いた後なら、君の気持ちも理解できる。僕だって、君の立場なら同じように感じたかもしれない。
しかし友よ。心して言うからどうか聞いてくれ。僕は本当に君の気持ちは理解するけど、イラク人が良くない人間だなんて意見には決して同意できない。少なくとも、君と、君の家族が、僕にとって素敵な人間でいる限りは。
君はどうなんだい?君は自分の家族すら、そして自分自身すら信じられないって言うのかい?たとえ君がイラク人を信じることができなくなったとしても、君の家族と、君自身を信じることができる限りは、イラク人が良くない人間だなんてことは言えないだろう。
確かに、このイラクの現実を見れば、そんな風に考えてしまうことは無理もないかもしれない。でも、そんな考えは、ただイラクを支配したい輩を利するだけじゃないか。
僕の考えでは、今、イラクで起こっている全ての悪い事は、この戦争のせいであって、決してイラク人の人間性によるものなんかじゃない。戦争は、ただ建物を破壊したり、人々を殺したりするだけじゃなく、どんな人間でも持っているはずの良心そのものを破壊するんだ。
人間は、善も悪も併せ持っている。完全に善な人間もいないし、完全な悪なんて人間もいない。人間には、国や民族、宗教などによって、様々な違いが見られるとしても、決してそんな範疇で善と悪が分けられるわけじゃない。
いっそのこと、「イラク人」なんて範疇は忘れようよ。そもそも、イラク人って誰?イラクって何?その昔、アラブ世界を引き裂いたあと、イラクなんて国を作ったのは誰?
友よ。僕だってイラクプロジェクトなんてやっているけど、「イラク人」なんて別に気にしていない。彼らが「イラク人」だからイラクの人々を支援しているなんて、決して言わないよ。「イラク人」だからじゃなく、イラクの支援が必要な人々のことを心配しているんだよ。
君が良く知っている通り、初めて戦争を体験したイラクは僕にとって特別なところ。だから、まずはイラクでのプロジェクトから始めたんだ。空襲下を共に過ごした特別な親友である君といっしょにね。あの戦争の前、イラクに行こうと決めたのは、全ての戦争を憎み、今始まらんとしているイラクへの攻撃をどうしてもやめさせたかったから。「イラク人」だからって理由じゃない。他の場所が狙われていたら、そこに行ってたかもしれない。
イラクで僕は多くの素敵な人々に出会った。そして、たくさんのことを学んだ。生きるために大切なことを。それは日本では忘れかけられているように感じた。やがて彼らのことが大好きになって、イラクのことをもっともっと知りたくなってきた。そしてこのご縁を大切にして、出来る限りの手助けをしたくなったんだ。
親愛なる友よ。今、イラクで起こっている全ての悪い事は決してイラク人の人間性によるものなんかじゃない。人間である限り、誰もがそうした悪い性質を持っている。普段はそうしたものを抑制することが出来ても、一度戦争がやってくれば、そうした悪い性質はいとも簡単に暴れだしてしまう。イラク人ではなく、この戦争を責めるべきなんだ。全ての悪は戦争から生まれる。今イラクで起こっていることもそうだ。そして、こうした悪は人々の間に不信の悪循環をつくりだし、それはやがて世界中に拡がっていく。これは大変危険な流れであり、今まさに我々が直面していることなんだ。
お互いに信じあうこと。こうした悪循環を乗り越えていくためにはそれしかない。「人間の盾」の理念を思い出そうよ。イラク人のことも、アメリカ人のことも信じることが出来なければ、とてもあんな危険な活動はできなかった。この信念から、人生の中で最も信頼できる友である君と共に、僕はPEACE ONを始めたんだ。そしてイラクにとっても、僕たちにとっても苦しい状況が続いているけど、今も活動を続けていられるんだ。
君はきっと、そんなことが言えるのはイラク人じゃないからだって言うだろう。その通り、こんなことが言えるのは、僕がイラク人じゃないからだよ。この点で、僕は君の「イラク人であるという鎖を解く」という考えには賛成なんだ。たとえ君がイラク人でなくなってしまっても、僕らは一緒に活動できると信じている。まずは、僕らにとって縁のあるイラクで助けが必要な人たちから、そして、どこだって出来るところから助けに行こうじゃないか。」
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