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September 18, 2007

壊された日常のかけら~モースルの写真2~

およそ一年ぶりに家族との再会を果たし、約一ヶ月間イラク北部のモースルで過ごしてきたスタッフのサラマッドとアマラは、おかげさまで先日無事フランスに戻りましたのでお知らせします。引き続き届いた写真をいくつか紹介しながら、現地の様子を見ていきます。(最後の方に、小さいですが遺体が写っている写真もあるのでご注意ください)

Track
バグダードからトラックに家財道具を積み込んで避難してきた家族。今やバグダード行きのバスはがらがらで、乗客がいたとしても女性ばかりだという。男性のほとんどが道中狙われてしまうからだ。

Play_park
かつては子どもたちの歓声で溢れていた遊園地も今は寂れて空っぽ。

Wire
一日数時間通電という劣悪な電気事情のせいで、発電機からあちこちに配線するため町中電線が無秩序に張り巡らされている。整備する人間もいない。

Cleaning
清掃員として働く若者。多くが15、16歳で、学校には行けずに働いている。

Orphan
父親が殺され孤児になった3人の兄弟に新しい服などを買っているサラマッド。3人とも野菜を売って生計を立てているが、朝6時から夜10時まで丸一日働いても1.5ドルしか稼げない。

Saddam
サッダーム懐古気分がここにも。通常「アッラーフアクバル(アッラーは偉大なり)」と記されているイラク国旗に、「サッダーム・フセイン」と落書きされている。

Clouths
マネキンの顔が全て覆われた女性服売り場。モースルで勢力を拡大している過激派アル・カーイダは、なんと人形ですら女性の顔が出ているのはハラーム(禁忌)だという。

Bullet
両親の寝室。夜、付近で激しい戦闘があり、目が覚めたらベッドの間に銃弾が突き刺さっていた。

Dead
銃殺され路上に放置されていた遺体と遭遇。バグダードよりはましとはいえ、モースルでの生活も常に死と隣りあわせだ。

Border
シリアへの国境。シリアはこれまでイラク人を無条件で受け入れてきたのに、これからはビザが必要になると聞いて、慌てて殺到するイラク人で溢れていたという。今はラマダーン(断食月)ということでまだ入国制限はされていないようだが、これからはヨルダン同様厳しくなるのかもしれない。すでにシリアのイラク人難民は150万人を超えているというから、受け入れの限界に達しているのは間違いない。しかし本当にシリアにも行けなくなってしまったら、命からがら逃れてきたイラク人はどこに行けばいいのだろう。そもそもこうした難民が生まれないようにしなければいけないのだが、だからといってすでに400万人以上とも言われる故郷から引き剥がされている人々を放っておくわけにもいかない。

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September 14, 2007

「9.15 Peace Day Tokyo 2007@東京タワー下」

なんとか無事に9・11に引越できました。畑に囲まれた新居で、まだダンボールに囲まれています。

57dfe676s_2さて、明日はイベント、「9.15 Peace Day Tokyo 2007@東京タワー下」に参加しますのでお知らせです。イラクホープネットワークPEACE ONが共同でブース出店して、小ぢんまりとした「イラクに咲く花」をやります。

また、東京タワーフォトプロジェクト「東京タワーと平和と私」には私も実行メンバーとして関わっています。東京タワーをバックに自由なメッセージと共に写真を撮って、その場で展示&インターネット写真展にして世界に伝えようというものです。

「いまイラクに何ができるのか?」この問いに、一昨年来日した現地スタッフのサラマッドは、「イラクを忘れないでほしい」と答えました。そして、「どんな小さな支えでも、たとえひとつのメッセージだけでも、それは大きな心の支えになると思う。何よりも恐ろしいのは、誰からも忘れ去られ、世界から孤立してしまうことなのです」と訴えました。

その友の言葉によって、あのイラク戦争の最中「人間の盾」としてバグダード陥落を迎えたとき、共に空襲の夜を指折り数えてきたイラク人の仲間から、「盾に攻撃抑止の効果があったかどうかはわからないが、この大変な時を一緒に過ごしてくれてありがとう」と感謝されたことを思い出しました。

確かに、いま私たちがイラクの人々に出来ることはとても限られています。この治安状況では、何をやっても焼け石に水のような無力感に苛まれることばかりです。それでも、この出口の見えない絶望的な状況のなか孤立感を深めているイラクの人々にとっては、世界が気にかけているという声を伝えるだけでも、それはたとえわずかでも生き抜く希望に繋がるのかもしれません。

一歩一歩惨めさをかみ締めながら歩いたあのイラク開戦4周年の日の東京でのデモの様子も、新聞記事となってイラク現地で紹介されたそうです。この度の写真も、イラクへのメッセージはスタッフを通じて現地の人々に紹介するつもりですし、近隣諸国へ逃れた人々には私から直接お見せできます。

私は明日一日会場にいる予定ですので、イラクの人々へのメッセージを!という方はぜひ直接声をかけてください。(手伝ってくれるボランティアも引続き募集しています!)また、ステージでの16時過ぎの最終フリートークでは私も少しだけ発言する予定です。

【転送・転載歓迎】
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9.15 Peace Day Tokyo 2007@東京タワー下

 PEACE DAY 2007 Sept. 15; 11:00~17:00
    at Shiba Park、TOKYO
       
    芝公園4号地をアート会場に

     ★Peace Dayブログ★
http://blog.livedoor.jp/peacedaytokyo2007/

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武力で平和はつくれない/世界の人々とともに
戦争は最大の環境破壊、人権侵害

■日時:2007年9月15日(土)11:00~17:00

■場所:芝公園4号地(JR「浜松町」徒歩12分、地下鉄三田線「御成門」徒歩2
分、地下鉄大江戸線「赤羽橋」徒歩2分)
地図→ http://www.tokyo-park.or.jp/park/format/map001.html

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September 09, 2007

壊された日常のかけら~モースルの写真~

9・11に迫った引越し準備に忙殺されてなかなかブログを書く時間がとれません。せめて少しだけでも現地の様子を紹介しようと、スタッフのサラマッドが送ってきた写真を載せます。

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孤児院の子どもたち

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一人ずつ洋服を受け取ります

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みんな着替えて記念撮影

45
サッダームを慕う落書き

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母親が殺されて父子家庭になっている聾唖者家族の家。建築途中だった物件で、11歳の長女が台所用に組む石を洗っている

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フランスからのサダカ(貧しいムスリムへの自発的喜捨)で洗濯機も届けました

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行政のゴミ処理サービスがひどいので、町中いたるところにゴミが散乱していて、やがて動物達が漁りにくる。通りには蝿などの虫が大量に発生し、病気も増えている

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スレイマニヤなどではコレラが発生したようだが大丈夫かと訊くと、今のところモースルでは発生していないようだが、衛生環境は非常に悪く多くの人々が心配しているという。モスクに礼拝に行くたびに、野菜はしっかりと水で洗ってから食べるようにと注意を受けているそうだ。特に150キロしか離れていないキルクークでもコレラが発生したことには皆戦々恐々としているという。

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September 02, 2007

壊された日常のかけら~モースルでの生活~

引き続きサラマッドのメールからイラク現地情報。今日はモースルの日常生活について少し。

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働く子どもたち

ここしばらくは灯油探しで忙しかったそうだ。安い今のうちに手に入れておかないと冬が大変らしい。通常一冬一家族660リットル必要で、今なら450ドルで手に入るが、冬になると1250ドルにもなるという。月給は以前より上がっているとはいえ一般市民は100ドルから良くても500ドル程度だから、これじゃあ人によっては年間給料はたいても一冬も越せない。ちなみにサッダーム旧政権時代はなんと同じ量でたったの3ドルだったそうな。当時は月給もそのくらい安かったとはいえ、今の物価高はあまりにひどい。

ガソリン価格も、今ではブラックマーケットで1リットル約1ドルと日本とほぼ変わらない。公式価格は1リットル36円前後なのだが、一人二日で25リットルのみと給油が制限されている。そして普通にガソリンスタンドに並んでいたのでは、一日中並ばないと手に入らないそうだ。産油国なのに精製が追いつかずガソリンを輸入しているからこんなことになるわけだ。昔は1リットル約2円だったのに。

政府からの食糧配給は5ヶ月前から止まったまま。これまでも何度も中断してきたそうで、復活しても中断分が再配給されることはない。なので通常配給分は買わなきゃ食えないわけだ。しかしミルクがハーフキロで32円だったのが360円に、調理オイルボトル36円が160円に、そして米が1キロ48円から100円にとそれぞれ値上げしているので家計は火の車だと言う。

そんな中、フランスのムスリム(イスラーム教徒)から預ってきたサダカ(貧しいムスリムへの自発的喜捨)でわずかながらも個人的支援を続けるサラマッドとアマラ。4人子どもが一日1ドル未満で働いている聾唖者の父子家庭と、狭い一部屋に13人もの大家族で暮らすシンジャールから逃れてきたヤズィディー教徒に、いくつか生活用品を届けてきたそうだ。ところでその大家族の最年少、生後3ヶ月の子どもの名前は今モースルで大人気の「サッダーム」だったそうな。

PEACE ONとしては、昨年に引続き孤児院への支援を行った。ベッドシーツ、掃除用器具、衣類などの生活支援、そしてパンクして動けなくなっていたスクールバスのタイヤを交換した。バグダードと違ってバス自体は足りているようだが、政府からの支援が届かず困っていたところだったそうで、今回はタイヤが最も喜ばれたという。状況悪化からバグダードでのバスプロジェクト中断中の僕らにとっても、バスで関われたのは嬉しい。
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