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June 17, 2007

イラクのヒロシマ・ナガサキを逃れて

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5月20日、フィラスが住んでいる町ディアアティーアへ
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ダマスカスから北に乗り合いタクシーで1時間ほど。人口2万2千人程度の小さな田舎町
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アラブの陽光をいっぱいに浴びた風を受け、ゆるやかに時を運ぶ名物の風車と、バグダードのタージから昨年移り住んだというイラク人家族

「ファッルージャはヒロシマ・ナガサキになりつつある」

と、日本人の私たちに訴えたのは、町のはずれで出会ったアブ・アマルさん。イラク中部ファッルージャで携帯電話の販売店を営んでいたが、2004年の米軍による総攻撃により店を破壊され、商品も全て盗まれたという。親族も次々と殺害され、国内避難も限界に感じて昨年6月に3人の子どもを連れ逃れてきた。一時は近所の工場で働いていたが、体力がついていかず今は無職。3人の子ども、長女イスマー(10歳)、長男アマル(9歳)、次女ルカイア(8歳)は現在学校に通っていない。小学校には在学証明がなくても試験を受ければ入学できるそうだが、シリアとイラクでは教育課程が違うため、(例えばシリアの英語の授業の開始学年はイラクより早い)一学年落第してしまうなど、授業になかなかついていけず、他にも言葉や習慣などの違いもあって馴染めない子どもが多いという。アブ・アマルさん一家も、いつまでシリアに住めるかわからないので、はっきりするまで学校に通わせるつもりはないという。「子どもたちはイラクに帰りたがっていても、この治安状況では地獄に戻るようなもの。しかしこのまま仕事もなく貯金が尽きればそれしか選択肢はなくなるだろう。」
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帰り道、皆お尻が冷たくなっていることに気付く。屋外のソファが雨で濡れていたようだ。苦笑いしつつ照りつける太陽に濡れたお尻を向けて、アラブの風で乾しながら歩いていると、街角の雑貨屋のオヤジが瓶入りオレンジジュースを5本も両手に抱え、ゆっくりと前後に揺らして飲んでけ飲んでけと微笑んでいる。今日はイラク人家族を訪れるたびにオレンジジュースのもてなしをうけてみんなお腹はぽちゃぽちゃだったが、オヤジの笑顔に負けてありがたくいただいた。すっかり街の風景に溶け込んでいた彼もイラク人で、ファッルージャに多いドレイミ族だという。

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Comments

なぜ「イラクの南京を逃れて」とは言えないのでしょうかね。

そこが日本の平和運動の欠点だと思います。

Posted by: マサガタ | June 18, 2007 at 11:52 PM

本文読まれました?

イラク避難民の方が、「ファッルージャはヒロシマ・ナガサキになりつつある」と言ったからそうしたわけです。

もし彼が、「ファッルージャはナンキンになりつつある」と言っていたら、間違いなくマサガタさんお望みのタイトルにしていたでしょうね。

Posted by: yatch | June 19, 2007 at 09:32 AM

ごめんなさい。読み落としていたようです。

いつも思うのですが、イラクの人々は日本の中国侵略の歴史とか知らないのでしょうか。

Posted by: マサガタ | June 20, 2007 at 08:53 PM

やはり日本人を見ればヒロシマ・ナガサキと言うイラク人はとても多いです。そういう話になって、日本の中国侵略のことを話すと、もちろん知っている人はいるのですが、「アメリカに原爆を落とされた」というイメージの方が圧倒的に大きいようです。イラクはアメリカの脅威を受け続けてきたわけですから無理もないと思います。今回のケースも、自分達の置かれた状況を少しでも想像してほしいと、私たちが日本人としって「ヒロシマ・ナガサキ・・・」と訴えたんだと感じました。

Posted by: yatch | June 22, 2007 at 11:28 AM

広島・長崎も元はといえばイラク侵攻と似た中国侵略の結果といえることなのですからね。何となく複雑ですね。

ところで、相澤さん、今日本にいるのですよね。防衛省に抗議行動に行ってきたのでしょう?

Posted by: マサガタ | June 22, 2007 at 10:32 PM

たしかに複雑です。少なくとも日本人は、自国の加害の歴史も直視していかなければ、どんなにヒロシマ・ナガサキの被害を強調しても説得力を持たないと思います。

防衛省、行って来ました。暖簾に腕押しというかなんと言うか・・・。

Posted by: yatch | June 23, 2007 at 02:50 PM

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