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December 21, 2006

イラクの友の無事&12月23日シンポジウムのおしらせ

断食修行記がまだ途中ですが、しばらく連絡が途絶えていて心配していたイラクの友人からいくつかメールがありましたので、急遽出演が決定した12月23日のシンポジウムと合わせてお知らせします。

アダミヤ、そしてカズミヤに住む友人からも無事の連絡があり、とりあえずはホッと胸をなでおろした。しかし、バグダードでは現在各地区間で迫撃砲弾が飛び交う市街戦が日常の風景になっていて、以前のようにネットカフェへの移動も命がけになっているだろうから、無事を喜ぶと同時に帰り道のことを考えると複雑だ。

アダミヤをはじめとするスンナ派居住地区では、マハディ軍をはじめとするシーア派民兵が警察と一体となって繰り広げるいわゆるスンナ派狩りが猖獗を極めている。イランに操られたマリキ政権はシーア派民兵を取り締まる気など全くないどころかむしろ加担しているので、政府を解体することを望んでいた多くの住民は、先達てアンマンで行われた会談でブッシュがマリキを支持するとの声明を出したことに落胆し憤っているという。アメリカでは民主党が勝利しラムズフェルドも辞めついにイラク政策の見直しが始まっていると言っても、それは所詮米兵の命を考えてのことであり、決してイラク人の命を考えてのことではないので、やはりイラク政府同様民兵による殺戮を放置している米軍もまったく当てに出来ない。こうしてアメリカによる占領からイランによる占領にすり替わり、バグダードのスンナ派住民は皆殺しにされるか追い出されるかで、やがて誰もいなくなってしまうのではと戦々恐々だ。

それではシーア派住民は安寧として政府を支持しているのかといえばもちろんそんなことはない。カズミヤに住む友人は、昨年妹が戦闘に巻き込まれ亡くなっている。先日届いたメールでも、

「・・・本当に、何とかできればいいんだけど、どうしようもない。本当にだめなんだ。情況はあまりにも悪く複雑で・・・。疲れたよ、YATCH。怒りでいっぱいなんだ。そして、とてもとても絶望している。もう何も感じることが出来ない・・・まるで死んでいるようなんだ・・・」

彼は大学を卒業し英語の講師になったばかりだが、この情況ではおそらく多くの講義はできないだろうと言う。でも講師も講義も不足しているので、何とか続けているそうだ。そして続ける。

「誰もが怖がっているよ。いつ誰がやってきて誘拐されるか、殺されるか、さらにひどいことになるか、わからないんだ・・・。ここでは全く理由なく人が殺されていく・・・全くだよ・・・思うに、理由があるとすれば、それはイラク人だからということ・・・。おそらく仕事はやめざるを得なくなると思う。ここで講師や学生でいるということは、まさに戦場での兵士といっしょだよ。兵士はせめて銃を持っているから、もっとひどいもんだけど・・・。でも政府は大学に行き続けろっていうんだぜ!!!!恥を知れって・・・。犯罪者やテロリストにものを言うのが先だろう・・・・」

彼と出会ったのはイラク戦争前だが、アニメや日本文化好きの彼とはドラえもんの話から始まり最近では黒澤映画を絶賛するなど話題も尽きず、メールでもいつも何かそうした話題や冗談を付け加えていたものだが、ここ最近では全くなくなってしまった。これはなにも彼ばかりではなく、冗談好きのイラク人からどんどん笑いが消えてしまっている。

イラクの国外に避難している友、例えばいま妻の国フランスいるイラク人スタッフのサラマッドは、イラクに残された家族の安否を思い連夜悪夢にうなされて、連日家族から電話で話を聞くたびに、自分だけ安全なところで生きているという罪悪感に苛まれている。

彼から聞いたバグダードのドーラ地区の情況は、次の機会にお伝えするとして、取り急ぎ以下に23日のイベントを紹介しておきます。いまイラクを覆うこの絶望の闇から、どうすれば光が見出せるのか。イラク人との対話から新たに考えてみたいと思います。
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リカービさん(イラク民主化潮流) を招いてシンポジウム
イラクに平和を!
私たちの描くイラク平和への道
●日時 :12月23日(土) 14:00~17:00
●場所 :明治大学リバティータワー1011 教室
●JR線「御茶ノ水駅」御茶ノ水口から3分 地下鉄「新御茶ノ水駅」B1出口から6

http://www.meiji.ac.jp/campus/suruga.html●資料代500円
●発言者:アブドゥル・リカービさん(イラク民主化潮流)
     半田滋さん(東京新聞社会部防衛庁担当記者)
     相澤恭行さん(NPO法人「ピースオン」代表) 
     生方卓さん(明治大学軍縮平和研究所)
■主催:明治大学軍縮平和研究所
 TEL:03-3239-8145 FAX:03-3239-8146   
E-mail morimoto@gunsyuku.org
■呼びかけ:リカービさん来日を支える実行委員会
アジア太平洋平和フォーラム(APPF)ATTAC ジャパン ピープル
ズ・プラン研究所 リカービ裁判弁護団
■協賛:World Peace Now  作品社
★リカービさん来日のためのカンパを募っています★
郵便振替00160-3-612549 「リカービさん来日基金」

●現在、イラクはアナン国連事務総長も認めたように「内戦」状態にあり、平和への糸口がまったく見えない状況が続いています。多国籍軍を構成する米国をはじめとした外国軍は、その失敗を認めながらイラクに対する戦略の変更を余儀なくされ撤退を検討あるいは実際に撤退をはじめています。イラク人による民主的な国家建設を目指す政治家であるアブドゥル・リカービさんが現在のイラクをどのように分析し、イラクの今後についてどう考えているのか、またどのような構想を描いているのか、などについて語ります。
● 2004 年4月、日本のNGO 活動家3名がイラクで拉致されたとき、イラク国内のネットワークを駆使し、早期解放を実現したのはイラク人のリカービさんでした。フセイン元大統領に追われて、イラクを脱出し現在パリで亡命生活を送りながら、イラクの平和と再建を求めて活動を展開しています。世界社会フォーラム(WSF) のグローバル・ネットワークに関わりながら、世界の人々に、直ちにイラクの占領と破滅を止めさせるために立ち上がり、協力してくれるよう訴えかけています。彼は、米国の傀儡である「マリキ政権」を認めず、イラクのあらゆる政治潮流が結集して民主的な「憲法制定国民会議」を設立し、イラク人が自らの力で民主的選挙を行い、民主主義的な国家建設を目指しています。
● 2003 年12 月、リカービさんは、自衛隊のイラク派遣を計画していた小泉前首相の招きで来日。日本政府は、リカービさんから「イラクの復興には自衛隊派遣が必要である」という言葉を引き出し、自衛隊派遣の口実を見つけることを画策していましたが、小泉首相に対してイラクへの日本の軍事的プレゼンスを否定し、日本はイラクに対して平和的で友好的な復興支援を行うべきであると明言。しかし、小学館の「週刊ポスト」は、彼が自衛隊支援の見返りとして小泉首相から金銭授受を受けたと報じ、このニュースはアラブ世界に配信されました。リカービさんはこの事実無根の報道について、「記事の訂正および謝罪広告掲載等」を請求して東京地裁に提訴。来る12 月27 日、東京地裁で判決が言い渡されます。原告であるリカービさんは政治家としての信頼回復のために出廷します。

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Comments

相澤さんお久しぶりです。何とか聴講したいと思います。スピーチ予定では中東関連の研究者、、、よりずっと最適な人事ですね!!

Posted by: うだすみこ | December 22, 2006 at 01:56 PM

うだすみこさん、

お久しぶりです。昨日はどうもありがとうございました。いつもNHK教育のアラビア語会話でお世話になっているモーメン先生が、突如私の隣の席で通訳されることになったときは本当に驚きました。もっとアラビア語を勉強しろという有難い御告げですね。アルハムドゥリッラー

Posted by: YATCH | December 24, 2006 at 04:51 PM

クフィーヤがうまく巻けません。いくら寒くても、腰に巻いたら絶対アウトですよね?ところで、断食修行のお寺の方ですが、13日の教育基本法改悪反対集会に来られていたように思います・・・。

Posted by: うだすみこ | December 27, 2006 at 10:58 AM

うだすみこさん、

クフィーヤの使い方は万能ですよ。帽子でも首巻でも覆面でも腰巻でも風呂敷でも何でもこいでしょう。独創的な着こなしを期待していますね。

ウチワ太鼓でおなじみの日本山妙法寺のお上人さんたちは、各地で平和行脚をされてますからほんとどこでもお目にかかりますよね。行動する仏教徒として尊敬しています。

Posted by: YATCH | December 28, 2006 at 05:59 PM

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