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June 04, 2006

変化

イラクで先月20日にやっとこさ正式な政府が成立したとはいっても、バグダードの友人から届くメールによると、治安状況は相変わらずのようだ。そもそもブッシュ政権のイラク占領の建前のひとつであるイラク「民主化」の成果とやらを世界に印象付けるためには、何が何でも政治プロセスをスケジュール通りに運ばせる必要があり、これまでの政治イベントだって力ずくで無理やり押し通してきた結果であるから、今回いくら「正式」と政府の看板を挿げ替えたところで、治安状況が改善していないこと自体は特に不思議ではない。

しかし、微かではあるが変化の兆しはあるという。バグダード市内での爆破事件、戦闘は相変わらず、いやむしろひどくなっているかもしれないが、以前は日常茶飯事だった拷問の末殺害され路上に放置されている遺体を見ることが最近は減ってきたというのだ。以前の内務大臣バヤーン・ジャブル(現金融大臣)が、暗殺団と恐れられているシーア派民兵など治安部隊を完全に掌握していて、好き放題やっていたからだろうと友人は言う。現在内務大臣はマリキ首相が兼任していて、今後のポストによってはもとの木阿弥ということも十分考えられるが、気になる変化ではある。

これまでもイラクの人々はこうした政治イベントに半分期待しながらも常に裏切られ続けてきたので、もはや茶番でしかないと頭では理解しているものの、せめて少しでもましにならないものかとの希望を決して捨ててはいないことは、今回も行間から感じることは出来た。

そういえば最近はラマーディーでの掃討作戦のため米軍が増派(関連情報)され、南部バスラではシーア派の内紛から非常事態宣言(関連情報)、陸自への攻撃も続くサマーワでは夜間外出禁止令が出される(関連情報)など、むしろバグダード以外での治安悪化が目立つ。

また、ここのところ米軍によるイラク市民虐殺の疑い(関連情報)が次々と明るみに出てきている。これまでも同様なことは相当数あっただろうに、ここにきて立て続けに出てくるようになったこの変化も気になるところだ。米国内でもラムズフェルドが元米軍幹部やCIA元職員から辞任を要求されたり、「なぜうそをついた」と質問攻めにあったりと、こてんぱんにやり込められているし、ブッシュ支持率もついに20%台になり世論調査でも「最悪の大統領」という烙印を押され、さらには、以前タブー扱いだった「9・11米中枢テロ事件は米政府による自作自演ではないか」という陰謀説も今では大っぴらにメディアで議論されだしている。こうした米国内の変化とも何か関連があるのではないだろうか。これまでそれこそ力ずくで押しとどめてきたであろうこうした地下水脈からの流れが、ついに堰を切って迸りだしているような気配すら感じる。

ところで、一昨日は画家の親父が上野東京都美術館での「新象展」(親父の宣伝で恐縮ですが10日までやってますので興味のある方はぜひ)に出展している関係で上京し、昨日帰るまで家に泊まってもらっていた。その間、共謀罪一転採決か?という報道が飛び込んだり、とあるミッションでイラク入りしていたのだが2ヶ月以上も全く連絡が途絶えていたヨルダンの友人から突然電話が入ったりして大騒ぎになった。その友人は戦時下のバグダードで出会ったときから悪運だけはとことん強い奴なので、きっと這いつくばってでも生き延びるだろうとどこかで楽観視もしていたが、最後のメールで今回は本当に危険だと言ったきりで正直もうだめかなとすら思っていたところだったので、怪我はしたものの辛うじて生還の一報にほっと胸を撫で下ろした。ホントにまあ波瀾好きのバカだがどうも憎めない奴である。今のイラクの混乱は明らかに米軍によって意図的に引き起こされたものだと断言していた。親父はそんなやり取りに笑みさえ浮かべつつ、縁側にゆるりと座り超然として煙草の煙を燻らせてはいたものの、実に慌しい都市生活?を垣間見せてしまったかもしれない。

さて長くなったが最後に共謀罪。奇妙な静寂を突き破る「与党、民主党案丸呑みで採決か」というNewsには、あの3年前バグダード陥落直前の不気味な静けさをぶち破り未明に轟いた米軍戦車の砲撃音すら思い出した。しかしそこはさすがに民主党、与党の「採決してから後で改訂すればいい」という姑息な思惑をしっかりと見抜き採決拒否。これで何とか継続審議とはいうものの、まだまだ安心は出来ないので、センセイ方に「今後ともよろしく!」とせっせせっせとFAX攻め。(衆議院法務委員会FAX一覧)それにしても、4月に某TV局に電話で問い合わせた際、「キョーボーザイって何ですか?」と逆に質問され返り討ちにあったころと比べると、確実に変化を感じる。

あと共謀罪といえば、このブログではお知らせ遅れましたが先日の火曜日に発売された週間SPA!の共謀罪特集もお忘れなく。戦友シバレイ、わかりやすい記事に仕上げてがんばってますな。連日国会傍聴を続けているPEACE ONの共謀罪廃案担当?高瀬香緒里が見た共謀罪トンデモ審議の暴露話も載っています。さらには旧イラクバース党員で共謀罪による密告社会の恐ろしさを知り抜いている人物、先日5月31日に結婚2周年を迎えたばかりのバグダード支部長サラマッドからの共謀罪コメントまで載っていますよ。

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