演劇「やわらかい服を着て」はじまる
先日のイベント、「イラクに咲く花」に来てくださったみなさま、どうもありがとうございました。アラブ服を身にまといチャイをすする怪しげな露店商人として「なんちゃってイラク人?」なんぞ演じていたので気付かなかった方もいらっしゃるかも?とにかくおかげ様で素敵なイベントになりました。
さて、昨夜は新国立劇場で永井愛さん作・演出の演劇、「やわらかい服を着て」の初演を観てきました。
内容は、イラク戦争開戦前夜から現在まで、イラク支援NGO、「ピースウィンカー」に奔走する若者の青春を描いたものです。パンフレットに掲載する原稿を書かせてもらったので、台本は全て読んで筋はしっていたのに、本番を見たらまるで違う世界に連れていってもらえました。特に人質事件のあたりなど、現地とのやり取り含めよくぞここまで調べたなあと感心するほど、所々あまりにリアルすぎて自分自身の体験の記憶と絡み合い奇妙な感覚にも陥りました。私自身としてはどうしても客観的に観賞することはできないのですが、純粋にお芝居として心から楽しめる素敵な作品だと思います。
イラク現地での活動ではなく、国内メンバー間の友情や恋愛などの人間模様、そしてそれぞれが持つ活動への様々な悩み、葛藤、希望などを中心に描いているのですが、一般的に「特殊な活動をしている人たち」を思われがちなこうした活動も、結局は普通の人間がやっているということを伝えてくれたのもとても嬉しいし、何よりも演劇という表現のもつ力を再発見できて、自分にもまた新たな力が湧いてきました。
主役は吉田栄作さん。初舞台だそうですが、実に自然体でメンバーの大将役を演じていました。個性的なメンバー達を見事に演じていた他の役者のみなさんも、資料として私の講演CDまで聴いていてくれていて、みなさん「YATCH!」と気さくに声をかけてくれるので、とても初めて会ったような気がしません。(「ピースウィンカーに入りたいですよ」などと戯言を吐いたら大将に断られてしまいましたが、打ち上げにまでお邪魔して3時まで四方山話で盛り上がりました。みなさんそれぞれ役名で呼び合うんですね)会場ロビーにも幕にも白血病の子ども達の絵が登場するなど、佐藤真紀さんのJIM-NETが全体にわたって協力していますが、みなさんのお話を聞くとPEACE ONの活動にも妙な親近感を覚えたそうで、嬉しいことに随所で参考にしてくれたそうです。これまでやってきたことが、こうして演劇という形で表現されることはまた不思議ですが感無量でした。
6月11日までやっていますので、みなさんスケジュールを確認してぜひぜひ観にいってほしいと思います。心からお勧めします。
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