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May 23, 2006

演劇「やわらかい服を着て」はじまる

先日のイベント、「イラクに咲く花」に来てくださったみなさま、どうもありがとうございました。アラブ服を身にまといチャイをすする怪しげな露店商人として「なんちゃってイラク人?」なんぞ演じていたので気付かなかった方もいらっしゃるかも?とにかくおかげ様で素敵なイベントになりました。


さて、昨夜は新国立劇場で永井愛さん作・演出の演劇、「やわらかい服を着て」の初演を観てきました。
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内容は、イラク戦争開戦前夜から現在まで、イラク支援NGO、「ピースウィンカー」に奔走する若者の青春を描いたものです。パンフレットに掲載する原稿を書かせてもらったので、台本は全て読んで筋はしっていたのに、本番を見たらまるで違う世界に連れていってもらえました。特に人質事件のあたりなど、現地とのやり取り含めよくぞここまで調べたなあと感心するほど、所々あまりにリアルすぎて自分自身の体験の記憶と絡み合い奇妙な感覚にも陥りました。私自身としてはどうしても客観的に観賞することはできないのですが、純粋にお芝居として心から楽しめる素敵な作品だと思います。

イラク現地での活動ではなく、国内メンバー間の友情や恋愛などの人間模様、そしてそれぞれが持つ活動への様々な悩み、葛藤、希望などを中心に描いているのですが、一般的に「特殊な活動をしている人たち」を思われがちなこうした活動も、結局は普通の人間がやっているということを伝えてくれたのもとても嬉しいし、何よりも演劇という表現のもつ力を再発見できて、自分にもまた新たな力が湧いてきました。

主役は吉田栄作さん。初舞台だそうですが、実に自然体でメンバーの大将役を演じていました。個性的なメンバー達を見事に演じていた他の役者のみなさんも、資料として私の講演CDまで聴いていてくれていて、みなさん「YATCH!」と気さくに声をかけてくれるので、とても初めて会ったような気がしません。(「ピースウィンカーに入りたいですよ」などと戯言を吐いたら大将に断られてしまいましたが、打ち上げにまでお邪魔して3時まで四方山話で盛り上がりました。みなさんそれぞれ役名で呼び合うんですね)会場ロビーにも幕にも白血病の子ども達の絵が登場するなど、佐藤真紀さんのJIM-NETが全体にわたって協力していますが、みなさんのお話を聞くとPEACE ONの活動にも妙な親近感を覚えたそうで、嬉しいことに随所で参考にしてくれたそうです。これまでやってきたことが、こうして演劇という形で表現されることはまた不思議ですが感無量でした。

6月11日までやっていますので、みなさんスケジュールを確認してぜひぜひ観にいってほしいと思います。心からお勧めします。

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May 19, 2006

荒地/イラクに咲く花

バドル旅団に拘束され日本円に換算すると120万円ほどの釈放金を要求されていたバグダードの友人のおじさんが先日約3ヶ月ぶりに解放された。結局55万円ほど支払ったらしい。

拘束の理由はファトワ(宗教令)の乱用?篤信家でもないおじさんにそんな理由はありえないと友人は憤る。今やこうして連中治安部隊は金目当てでなんだって適当な言いがかりをつけては手当たり次第拘束してるんだそうだ。拘束中の尋問ではさんざん兄弟(友人の父含む)の職業や収入など根掘り葉掘りきいていたというから、次は父がとても心配だとも。

とにかくおじさんの家族はもうこれ以上バグダードには住めないとシリアへの移住を決めた。ちなみにおじさんの息子、つまり友人の従弟は以前PEACE ONスクールバスのドライバーを務めたこともある私の友人だ。

続いて、いわゆるシーア派地域サマーワに住むスンナ派の友人が、ついに国外に避難したという知らせ。詳しくは確認中だが、こうしてまた一人、一人とイラクの友がふるさとを追われていく。

友人は、「イラクが空っぽになっちゃうよ」と呟いた。本当に、このままだとそのうち外国軍と治安部隊しかいない荒地になってしまうのではないか。

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さて、ここで明後日21日日曜日のイベントのお知らせです。

どんなに人心が荒む世に変わり果てても、心には花を咲かせていたい。
そうです。イラクにもちゃんと花は咲いているのです。

イラクアートも数点展示しますのでぜひお越しください。入場無料です。

「イラクに咲く花」-見る、聞く、知る、イラクの今と私たち

たくさんの夢があり、生活がある。お母さんがいて、あかちゃんがいる。青空は広がり、花も咲く・・・そんな当たり前の生活が失われつつある国、イラク。この国のことを、もっと見て、聞いて、知ってみませんか?

日時:5月21日(日)10:00~19:00
場所:東京都 明治大学 リバティタワーB1階 1001教室(東京都千代田区神田駿河台1-1)
→JR御茶ノ水駅、御茶ノ水口より徒歩3分
→地下鉄千代田線 新御茶ノ水駅B1出口より徒歩6分
参加費:無料(開場時間中はご自由に各上映作品・ブース展示をご覧いただけます)

イラク支援を行う個人や団体が集まり、現地での活動を写真などでご報告します。会場では、普段なかなか見ることのできないドキュメンタリー映画の上映に加え、映画監督、ボランティア、NGO関係者による熱いトークセッションがあります。イラク・ティー(チャイ)やアラブ・ポップミュージック映像、イラク現代アートなどもお楽しみいただけます! イラクを知り・感じる一日です。ぜひ足をお運びください。

◆◇◆映画上映・トークセッション◆◇◆
11:00-11:22『IRAQ WAR』(04年 池上宗徳 当日参加予定)
11:40-12:42『イラクニ接近ス』(05年 谷澤壮一郎 当日参加予定)
13:15-14:12『アッバース君が6歳で死んだ理由』(05年 田保寿一)
14:25-15:15 トークセッション・1 ~監督から見たイラク支援~
15:30-16:25『ファルージャ2004年4月』(05年 土井敏邦)
17:00-17:33『ファッルージャからの証言』
      (05年撮影イサーム・ラシード)
17:45-18:45 トークセッション・2 ~私たちにできることは?~

◆◇◆インターネット放送◆◇◆
当日のもようをNPO法人OurPlanet-TVがインターネット放送します!
・http://www.ourplanet-tv.org/live.html
・放送時間 5月21日18:30~20:00
・放送内容 (前半)展示ブース、(後半)トークセッション2

共催:イラクホープネットワーク・明治大学軍縮平和研究所

【出展団体・個人】
◇イラクの子どもを救う会
◇日本イラク医療支援ネットワーク(JIM-NET)
◇セイブイラクチルドレン札幌
◇セイブ・イラクチルドレン・名古屋
◇セイブ・ザ・イラクチルドレン広島 
◇高遠菜穂子
◇NPO法人PEACE ON
◇NPO法人日本国際ボランティアセンター(JVC)
◇NO DU ヒロシマ・プロジェクト
◇ピースボート
◇BOOMERAN-NET
◇平和市民連絡会
◇細井明美
◇劣化ウラン廃絶キャンペーン
ほか

◆◇◆ボランティアスタッフ募集!◆◇◆
当日の会場準備等のお手伝いをしてくださる方を募集しています。イラクホープネットワークまでご連絡ください。

(PEACE ONのHPから各団体へリンクできます)

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May 14, 2006

四捨五入して不惑の母の日

総会直前で立て込んでいたところ、さらに追い討ちをかけるように原稿など諸々の締め切りが重なってしまい、ろくに更新も出来ないうちに気が付くとまた年をひとつとってしまった。きっともういくら年をとりたくてもとれなくなってしまう刹那までこんな調子なのかもしれない。

さて年をとるといえば5月3日の憲法記念日はいまだフランスでふるさとイラクを想っているわが友の誕生日でもあった。おめでとうのメールの返事には、「覚えてくれていて嬉しいよ。僕の家族は忘れていたんだ。でもいいんだ。いま彼らはそれどころじゃあないから」と少し寂しげだ。

それもそうだろう。3月にイラク内務省が発動した「正義の秤作戦」-Operation Scales of Justice-がここ最近新しい段階に入ったようだ。ドーラ地区含むバグダード市内5つのエリアを新たに要注意地区に追加、総勢15万人ほどの治安部隊が投入され、バグダードを中心に各地に展開。中部サマッラなども完全に包囲され食料すら手に入らない状態だそうだ。友人は「犯罪者の正義作戦」だと憤る。民兵中心の治安部隊は各所で包囲作戦を開始、ろくに証拠もないままに容赦なく数百人規模で連行していき、やはりその後拷問の痕を残した遺体が数十人ほど見つかっているようで、やがて連中が家族の住むドーラ地区にもやってくるのは間違いないという。

近所の家族は次々と家を出て避難していて、行きつけの肉屋の友人は店内で兄と共に殺されてしまったというのだ。そこで家族は彼に尋ねたそうだ。ここを出て行くべきかと。以前からもうここは限界だ、郊外の祖父の住む地区に行こうと話し合ってはいたが、その地区はまたここ最近評判の悪いマハディ軍(サドル師の民兵)が幅を利かせているらしくとても不安である。かといってここドーラも間もなく包囲されてしまうだろう。いったいどうすればいい?と。

「でもいったいなんて答えりゃいいんだ?どっちがいいのか俺だってさっぱりわからない。どっちを勧めても、もし何かあったらと考えると、とても自分を許すことなんかできない。もうこんなことを考え続けなければならない毎日にいい加減疲れ果てている。妻も同じだ」と友は言う。

さらに、

「どうすればいいかおしえてくれ。お前に聞いたってわかんないのはわかってるけど、俺だってもうわかんないんだよ」と。

留まるにしても、出るにしても、せめて家族が離れずに一緒いてほしいと答えることしか出来なかった。

数日後の連絡で、結局モスクの責任者でもある父を残して家族は移動したと聞いた。友人も何度も言ったそうだが、やはり親父は離れるわけにはいかないと頑として譲らなかったそうだ。

この治安状況では、お互い無事を確かめに会いに行くことも困難だろう。

こんな中、友人の母は膝の病気が悪化して、このままいくと歩けなくなってしまうかもしれないという。どうも軟骨に異状があるようで、普通は治療がそんなに難しいものではないようだが、今のイラクでは医者も多くが国外に出ていたりして十分な医療体制にないのが問題だそうだ。友の願いを受けて、いつも世話になっているアンマンの薬剤師の友人に協力を求めたところ、レントゲン写真を送ってもらえばすぐにアンマンの医師に相談すると、快く返事をくれた。本当にありがたい。

ところで今日はもう母の日か。中東諸国では3月21日のようだが、母を想う気持ちは世界中どこでも同じだろう。そういえば以前はよく筆圧の高い読みにくい字で青臭い煩悶をくどくどと書き連ね手紙にしたためては母の日に送りつけていたことを思い出し、ふと興にまかせて簡単だが絵葉書を投函した。

お母さんへ

気仙沼は今頃名残の桜でしょうか。東京は新緑が賑やかです。こちらは相変わらずですが、ふと永らく無沙汰していた母の日の便りなんぞ書こうという興に乗ったので絵葉書で失礼ですが送ります。私も昨日で四捨五入すれば三十路から不惑への路に足を踏み入れました。しんどい世の中ですが、それでもこの世に生を受け、今日もおかげ様で生かされていることの有り難さを忘れずに生きていこうと思います。お母さんの健康にも感謝。ではまた。恭行

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May 09, 2006

ハニさんサイト紹介

昨年来日し銀座で個展を成功させた若きイラク人画家、ハニ・デラ・アリさんのサイトが出来たようなので紹介します。
http://www.aldallaaliart.com/

作品の画像解像度がいまひとつで残念なのですが、
記事などけっこう充実してきたようです。

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