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February 13, 2006

炭鉱からパステルへ

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ランスは過去炭鉱で栄えた町だという。15年ほど前に全ての炭鉱が閉鎖されたので、今は町のあちこちに煤けた色をした跡地が点在している。ピラミッドを思わせる巨大な円錐形が薄墨色に滲んだ空から亡霊のように浮かび上がる様はまるで文明の墓場のようだ。ランスをはじめ北部フランスにはアラブ人の移民が多いが、炭鉱で働かせるために連れてこられたと聞く。

11日午前中はナセラさんの案内で100年前の炭鉱での大事故を伝える写真展を見に行った。1906年当時の写真や新聞を中心に、1100人もの死者を出した大惨事の記録を、主催の人権団体のスタッフが丁寧に説明してくれた。泣き叫ぶ家族、ストライキで通りに溢れる群集から、鼠や馬を食べて生き延びた人々まで、文明に翻弄された人々の生と死がモノクロームに刻みこまれていた。当時はまだアラブからの移民は来ていなく、労働者の多くはベルギーやポーランドから出稼ぎにきていた人だったようだが、いつの時代も犠牲になるのは貧しい者たち。一世紀前の悲劇を伝える白黒写真は、現代もいたるところで焼き増しされ続けている。当時の敵国ドイツから駆けつけたという救助隊の写真だけが、会場を出て見上げた鈍色の空の彼方、心象のフィルムにカラーで焼きついていた。
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午後、ルーベ(ROUBAIX)という町にあるラジオ局Pastel FMに出演。ノール=パ・ド・カレー全域に放送されるこの局にはアマラがこれまで2回ほど出演していて、一番自由にものが言えるということでお気に入りのようだ。先日の講演のようにイラクの現地情勢についてはサラマッドが話し、自分は活動紹介、そしてリスナーからの質問に答えるという形で、日本から見たイラク戦争、アメリカの暴走、活動のスタンスなどについて話した。ヒロシマをはじめ日本のことを多く絡めて話してみたが、年間の自殺者が3万3千人を超えているという日本の現状を話すと、DJはイラクの現状以上に驚いた様子だった。
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イラク、日本、フランスと、時空を超えるパノラマ写真。さて、これからどんな色で現像していこうか。

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