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October 21, 2005

茶番続き

報告会、講演会と続いたうえに、イラク人招聘準備等でバタバタしてUP遅れてしまったが、バグダードの現地スタッフから16日の国民投票についての報告が届いていた。

投票直前スンニ派は憲法草案への賛否、そして投票するか否かで割れているとも聞いていた。しかしスタッフの住むドーラ地域では、ほとんどの住民が投票に行ったという。そして何人かに聞いたところ、全て反対票を投じたという答えだったそうだ。

また、スタッフによると、今回の投票は間違いなく不正だという。
彼が投票所にいくと、なんといきなり、
「家族の分もいっしょに投票しますか?」
と、係員に聞かれたらしい。
「皆それぞれ考え方の違いはあるし、当然自分自身で投票するべきだ」
と答えると、
「わかりました。では用紙を取って投票してください」
そして係員が投票者名簿の各名前の前の「投票をしたという欄」にサインをしようと探しているとき、スタッフは自分より早く投票に出かけていた自分の両親の名前を見つけたのだが、「投票をしたという欄」にサインはなかったというのだ。
「なぜ私の両親の名前にはサインがないんですか?」
とスタッフが訊ねると、
「問題ない」
と言ってサインをしたという。
他人の分も投票できて、投票した証拠もないんだから、こんなのどう考えたってでたらめじゃないかということだ。

スタッフの周囲では、直前に新憲法草案に賛成を呼びかけたイスラム党に対して、多くが怒りの声をあげていたという。関連する事務所に爆弾が仕掛けられたりもしていた。確かにスンニ派内それぞれの考え方に分裂していたとはいえ、それでも「投票して否決しよう」という声が多かったようだ。イスラム党が出した呼びかけも、幸か不幸か投票日前後は停電がひどく(ほぼ一日中停電)、彼らの呼びかけを聞いた人は少ないのではないか、また聞いたとしても、投票意思を変更するには時間が足りなかったのではないかとのことである。

その後19日の報告によると、米軍に包囲され投票すること自体が困難だったはずのラマーディですら91%は反対票(TVでは71%)と、スンニ派が多い各都市で反対が多数を占め、18県中3県以上で3分の2の反対票という条件に近づき否決できる勢いではあったのだが、多くの反対票が予想されていたディアラでは国家警備隊が5時間前に投票所を閉鎖、他の都市でも投票に行かせないように発砲するなどの嫌がらせが横行。モスルでは始めの統計では否決だったようだが、投票用紙が入った箱がバグダードに届かないということまで起こったそうだ。

多くの民間組織は、もしこの投票で不正が発覚したら、病院やバスなど全ての民間のサービスを停止(いわゆるストライキ?)するという約束をしていたようだ。一般報道では3分の2の反対票は2県に留まり予想通り新憲法草案は承認される見通しだということだが、一体どうなることだろう。

そして気がつけば中間報告もないままにイラク報道はサッダームの初公判一色に。まだ憲法すら出来ていない、つまり国として機能していないなかで茶番師が興じる裁判により茶番狂言のごとき国民投票の不正が茶化されていく茶番劇を見せつけられて茶腹が痛い。

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