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September 27, 2005

何とか二人はバグダードへ

23日、深夜1時には現地スタッフがアンマンを発つというので最終打合せ。
以下、簡単にPEACE ONがスクールバスを支援しているバグダードの障害者福祉施設の現状を紹介。

・昨年労働省から提供されたバス(イラク全土33施設で50台)のうちすでに20台が盗まれ、ドライバーも数人殺害されている。
・治安悪化並びに上記の理由で労働省はすでに提供したバスの引き揚げを検討中。ドライバーも辞職が相次ぐ。
・労働省は民間のドライバーを雇うことも検討しているが、月に600ドルほど請求されるらしいので難しい。
・労働省のドライバーは契約により、子ども達の送迎時はそれぞれの家の前まで行くわけではなく、大通りの決められたところまでしか行かない。これは障害者にとって困難。PEACE ONのバスサービスは家の前まで送迎する。(そのためには小回りのきく車がいいとワンボックスカーを求められてきた。)
・アルヌーア盲学校、アルマナー身体障害者施設共にPEACE ONバスサービスは順調。アルマナーはもう一台望んでいる。
・アルヌーアから宿舎用の食料支援、アルマナーから杖や車椅子などの要請あり。

○現地スタッフのアイディア→施設内に子どもたち用の小さなプレイガーデンをつくる

「特にアルヌーア盲学校の宿舎に寝泊りしている子ども達などは、毎日閉じ込められた生活で多くのストレスがあります。市内の公園に連れて行く費用など、施設マネージャーが労働省に何度か要請したものの、許可が下りないので、親御さんからお金を集めて一度だけ公園に連れて行きました。その時は子ども達皆大喜びで、それからというもの、いつもいつもせがまれるのですが、お金もないし、この治安状況で何度も連れて行く責任はとても負えません。そこで施設内で小さなプレイガーデンを作り、ゲームなどを用意して子ども達に遊んでもらうという案です。先生の目もちゃんと行き届くので、マネージャーは大賛成ということです。(アルマナーにも話したところやはり大賛成とのこと)」


今回はフランスから約6000ユーロ分もの医薬品が届いたので、日本からの寄付金は障害者福祉施設への支援に集中することに。バグダードに戻り次第現地で価格を調査しプレイガーデンを作る費用を見積もり、その他備品等の支援との配分を決めることにした。

さて、今回は大変な状況の中、現地スタッフにアンマンまで来てもらった。そういえばアンマンに来るとき私の大好物のイラク産ザクロのフレッシュジュースを前回同様ペットボトルに入れて持ってきてくれたのだが、気温が高い中長時間車に揺られたせいで中身が膨張し途中で破裂。ボトルを入れていたバッグは破れ周囲に赤い液体が飛び散り、発酵しビールのようなにおいが充満しトランクの中は惨憺たる状況だったそうな。まあ爆発物ではなくて本当に良かったが。また、国境で12時間も待たされたせいで体調を崩し、下痢止めをたくさん飲んだら今度は全く出なくなってしまうなど、散々な目に遭いながらもしっかりと打合せ等仕事をこなしてくれた。

二人はイラクに戻ればまた恐怖の生活が待っているというのに、それでもやはり一日も早く戻りたいと言う。先月まで数ヶ月フランスに滞在していたときも、イラクの状況を知るたびに心配でもういてもたってもいられなかったそうだ。また、フランスに行って気がついたこととして、医療、教育、インフラなど、いかにイラクでは必要なものが満たされていないかを知り、支援の必要性を再確認したこと。また、フランスで生活をして、イラクと比べて人々の心が満たされていないことを知ったという。誰もがお金のことでぎすぎすし、基本的に他人を信用しない冷たい社会で、イラクとはまた別種だが治安も悪く、実際本人も一度250ユーロほど入れたバッグを盗まれている。二人とも笑顔の日などほとんどなかったそうだ。これまでスタッフの妻や私など、フランスや日本などのいわゆる豊かな国からどうしてわざわざイラクにまで来るのかわからないことがあったらしい。しかし今回フランスで生活してみて、なぜ私たちがこれほどまでにイラクに惹かれ、行きたがるのか、理解できたという。

出発の時刻が近づき、見送りのため今アンマンに来ている高遠菜穂子さんと、彼女のプロジェクトメンバーのイラク人の友人がホテルまで来てくれた。そういえば高遠さんとスタッフが会うのはあの拘束事件以降初めてである。以前は路上生活をするストリートボーイズの支援で協力し合っていた二人は、更生し立派になってきたボーイズの話などで盛り上がっていた。当時は彼も解放を目指し必死で動いてくれたものだ。以前と変わらぬ調子で何気ない会話を楽しむ二人だが、今こうして二人とも元気で再会できるということはなんて有難いことなんだろう。

時間が来て大量の医薬品を車に詰め込み、二人はホテルを後にする。二人が外国人とつながっていることをドライバーに知られると断られたり道中拘束されたりするリスクが高くなるため、見送りはホテルのロビーで済まさなければならない。薄いカーテン越しに、夜の街に消えていく車に乗った二人に、こっそり小さく手を振った。これまでは見送られる立場が多かったが、見送る人間の気持ちを改めて思う。


24日、イラク戦争中に出会い友達になった友人Mの家に遊びに行き、晩飯をご馳走になったあと、現地スタッフと電話で連絡がとれた。何度もチェックポイントで待たされ、結局20時間ほどかかりなんとか二人ともバグダードに着いた。今は確認中で詳しく書けないが道中大変な目にあったようで、電話の向こうの声が震えていた。私も話を聞いたときは全身凍りつき、改めてイラクの現実を思い知らされた。とにかく、今は二人の無事到着を感謝しよう。

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Comments

二度も連チャンで発信するということは何かあったのかも・・
などと思いますが、YATCHたちのことだからだいじょうぶだろう。

「二人はバグダードヘ」とか、書いてあるからちょと焦ったけどね。

Posted by: wattan. | September 27, 2005 at 03:22 AM

wattan,
なんかNet接続が調子悪くて。
タイトルは確かにちょと狙ってました。

Posted by: YATCH | September 29, 2005 at 07:27 PM

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Posted by: Julio | April 21, 2015 at 09:32 PM

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