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July 16, 2005

遠くから

昨日は実に国際的な一日。

まずはアンマン経由の国際郵便でバグダッドから、現地スタッフにかねてから頼んでいた書類が届き、フランスからはバグダッド支部長の妻アマラから彼女の漫画第2巻と、バグダッドで制作したというPEACE ON現地活動の記録写真集CD(スライドショー)が届く。

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アマラの漫画は彼女がイラク戦争中「人間の盾」として活動していたときの物語を基に構成されているもので、昨年第1巻が出版され、5月のファルージャ支援の際に受け取っていた。今回の第2巻で終巻なのだが、残念ながらフランス語が読めないので近々友達に訳してもらわねば。読めないながらも絵を追ってみたが、戦火の中の恋愛談にはどうも触れていないようだ。最後のページで、二人の結婚についてはちょっとだけ載っていたが。

夜、最近イラク方面に旅立ったばかりのフリージャーナリスト安田純平君から電話。しばらくアンマンに滞在しているイラク人画家、ハニ・デラ・アリさんの家からだ。ハニさんがデザインした缶バッジが出来上がったので、安田君に届けてもらおうとお願いしていた。昨年イラクで彼が拘束される直前に一緒にハニさん宅を訪れて以来だから、彼にとっても久しぶりの再会だろう。拘束中イラクのTVに彼の写真が写っているのを見て、ハニさんの子どもらが「ジュンペ!ジュンペ!」とさぞ心配していたと聞いていたので、今回アンマンで出会えてなんか自分のことのように嬉しくなった。

ハニさんとはしばらく今後の展覧会の計画などについて電話で話したのだが、英語の上達ぶりには驚いた。さすがに昨年から半年ほど古美術修復の技術を学びにポーランドに留学してきた成果だろうか。バグダッドの治安悪化から家族を連れて出国、今はアンマンのギャラリーで絵を売って生活している。一度電話が切れてかけなおすと「Mr.YATCH!バグダッドからか?」などと大笑するほど元気なので一安心。子どもたちとも久しぶりに電話で話したが、相変わらず元気いっぱいで安心した。9月からは子どもたちの学校が始まるので一度バグダッドに帰るそうだが、やはり心配なようだ。バグダッドの自宅で再びあのとびきりうまいイラクの家庭料理を安心してみなで囲める日が一日も早く来ることを願う。

聞くと他にもバグダッドの友人がアンマンに一時避難している。やはり治安状況は厳しいままというか、むしろ悪化しているようだし、配給が減っているなど生活環境もよろしくない。現地からのメールによると、まず水が出ない。ひどいときには一週間も断水。以前水では特に問題のなかったドーラ地区でそうなのだから、他はもっとひどいのではないか。夏なので伝染病などが心配だ。そして電気は相変わらずだめで、2時間通電の4時間停電、時には停電がそれ以上。ガソリン不足も一層深刻化してスタンドは長蛇の列。灯油は通常200リッターで4000ID(イラクディナール)、約3ドル弱のところなんと50,000ID(約34ドル)まで跳ね上がっているという。ちなみに通常4000IDというのは冬の価格で夏は普通1500ID(約1ドル)だというから、事実上34倍近い値上がりである。「冬はどんだけになるか想像できるか!」と結んであった。

治安悪化に留まらず、こんな状況が続いていて、それでもそこに生きて生活を続けなければならない友人もいるのだ。友人のイラク人アーティストの一人アハメッド・アルサーフィーは今フランスにいるが、バグダッドのカラダ地区の爆発事件で友人二人を失ったらしい。他の友人からも最近いとこが殺されたと聞いた。そんなことに思いをめぐらせていると、グルジアに行ったフリージャーナリストの友人から電話。途中で切れたので詳細はわからないが、なんと追い出されることになったそうだ。想像以上の包囲網に驚いたが、生きていてなにより。お互い遠く離れていても、こうして様々な手段でつながりを確認できること、それもお互いが生きているからこそである。バグダッドから届いた書類を見つめ、改めてその有難さを想った。

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