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May 24, 2005

斎藤さんのことも気になるが・・・

斎藤昭彦さんがイラクで拘束されたという情報から早2週間が過ぎてしまったが、彼の安否に関する情報は全くないままだ。現地スタッフや友人などにも問い合わせているが、アンサール・スンナ軍がいかに強力で、米軍警護としての斎藤さんの立場を考えると今回は厳しいだろうという意見以外はやはり何も情報がない。

報道は目立たなくなってはいるものの、イラク各地で爆破事件などが続き、日毎に状況は悪化している。イラクイスラム宗教者委員会幹部のハッサン・ヌアイミ師がイラク内務省特殊部隊に拘束され、拷問の末に遺体で発見されるなど、各地でスンニ派高位指導者の暗殺等が続き、宗派対立を煽る動きは留まるところを知らない。これでまだ民衆レベルでの大規模な宗派対立、内戦に至っていないのは、以前から「その手は食うか」と冷静に状況を判断していた多くの分別あるイラク人が、この現状においてもその聡明さを維持していることの証明ともいえるのではないだろうか。

斎藤さんが拘束されたイラク西部ヒート周辺の治安も最悪らしいが、さらにシリア国境付近でも米軍がまた掃討作戦と称して大規模な攻撃を行い、多数の一般市民の死傷者がでたという。そして以前現地スタッフから聞いた言葉、「米軍が攻撃の手を強めれば強めるほど、爆破事件などが増え、抵抗する勢力も強くなっていく」を裏付けるかのように、戦火は各地に飛び火していき、バグダッドの治安悪化も深刻だ。斎藤さんのことも気になるが、私にとってはイラクの友人たちのほうがはるかに気がかりだ。

先日現地スタッフから届いた連絡によると、いたるところで爆破事件が起きていて、彼の妹が通う市内ドーラ地区にある学校前でも爆発があり、妹の友達4人が亡くなったという。(妹は無事だそうです)そして米兵とイラク国家警備隊は家宅捜査を強化しているようだが、捜査を受けた家ではさまざまなものが盗まれるという被害が続出しているようで、現地スタッフもお金やコンピューター、また大切な書類などは全て隠したということだ。

そのドーラ地区では200人を超えるイラク人が逮捕され、また、イラク西方、ファルージャ近くの町ハディーサでは、やはり米軍と国家警備隊によって多くのイラク人が投獄され、中央病院も徹底的に破壊されたという。

米軍がいることによって守られている治安も確かにあるだろう。しかし米軍がいることによって悪化する治安のほうがはるかに大きい。やはり立ち返るべき言葉は、チョムスキーの「誰だってテロをやめさせたいと思っている。簡単なことです。参加するのをやめればいい」ではないだろうか。(昨年11月10日の当ブログ記事

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Comments

ご苦労様です。

上の記事の内容が本当であれば、アメリカ軍の士気は明らかに低下しているようです。
意図しているかどうかは別として、不安定要因がこの地域全体に拡散する可能性が高まっていると考えるべきでしょう。

(バクダットへ入る前に彼らは分かっていた筈なのですが)アメリカには止められません。

>イラクイスラム宗教者委員会幹部のハッサン・ヌアイミ師がイラク内務省特殊部隊に拘束され、拷問の末に遺体で発見される

気になる記事です。
アンサール・スンナの存在も、その成り立ちから考えれば、CIAとの繋がりも考えておくべきではないでしょうか。

また記事を宜しくお願いします。

Posted by: Nobody Knows | May 24, 2005 at 04:26 PM

ますますイラクの状況は悪くなっていますね。何が出来るのか、もどかしい限りです。
微力ながら続けているイラク戦争を考える連続講座、堤未果さんの講演日程が決まりました。帰還米兵の状況を中心にお話しして頂く事にしました。

■イラク戦争を考える連続講座第9回
私が見たイラク戦争−声を上げ始めた帰還米兵
話し手:堤 未果さん(ジャーナリスト)
日時:6月7日(火)午後7時〜9時
会場:世田谷区烏山区民センター 第3会議室(京王線千歳烏山駅下車徒歩1分)
資料代:800円
申し込みは不要です。直接会場にお越し下さい。

イラクでは一層戦闘が激化しています。銃を持ってイラク人の前に立ちはだかり、イタリア人女性記者の乗る車に300、400発もの銃弾を撃ち込む「恐ろしい米軍」・・しかし、私たちは米兵の実態を知りません。
アメリカでは貧困層の若者をターゲットに米軍が大学入学費用、健康保険などを引き替え条件にして新兵を勧誘しています。そうしてイラクに送り込まれた米兵は、すでに6人に1人がPTSDなど重度の精神障害を抱え、また米国内350万人のホームレスの内、50万人が帰還兵だと言われています。今回はアメリカで帰還米兵を取材し、「アエラ」や「世界」などでレポートを発表されている堤未果さんにお話を伺います。

堤 未果(つつみ みか)さん
著作家・ジャーナリスト・講演通訳。東京生まれ。私立和光小学校、中学を出て、高校卒業後渡米。ニューヨーク州立大学国際関係論学科学士号取得。ニューヨーク市立大学国際関係論学科修士号取得。国連婦人開発基金、アムネスティインターナショナルニューヨーク支局局員を経て、米国野村證券に勤務中に9・11に遭遇。現在は帰国してNY-東京間を行き来しながら執筆、講演活動を行っている。著書に「空飛ぶチキン〜私のポジティブ留学宣言〜」(創創社出版)、「グラウンド・ゼロがくれた希望」(ポプラ社)。

主催:今とこれからを考える一滴の会 03-5313-1525
(留守がちですので、メッセージを録音してください。折り返し連絡をさし上げます)

Posted by: kimie | May 24, 2005 at 06:36 PM

Nobady Knowsさん、

>>イラクイスラム宗教者委員会幹部のハッサン・ヌアイミ師がイラク内務省特殊部隊に拘束され、拷問の末に遺体で発見される

>気になる記事です。

日本の報道では名前が出ずにこの程度でしたね。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050518-00000258-reu-int

21日朝日新聞朝刊には詳しく載っていたと聞きましたが、Webでは見つけられませんでした。

詳しくは以下を参照してください。(もう読まれてるかもしれませんが)
http://politics.yahoo.com/s/nm/20050517/ts_nm/iraq_dc
http://www.zmag.org/content/showarticle.cfm?SectionID=15&ItemID=7895

日本語訳は「ファルージャ2004年4月」の訳者である益岡賢さん、いけだよしこさんの運用するサイトをご覧ください。
http://teanotwar.blogtribe.org/entry-85f0e95c11651e6d3cae3a070546f0a4.html


kimieさん、お知らせありがとうございます。堤さんの講演が決まって何よりです。私も都合がつけば伺いたいと思います。

アメリカといえば本当は今頃NYにいる予定だったのですが、決算処理に追われて事務所に缶詰になっています・・・。


Posted by: YATCH | May 25, 2005 at 12:01 PM

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イラクで拉致をされた斎藤昭彦さんの死亡がほぼ確実になった。襲撃された当初から生存の確率は極めて低いと見られていたが、やはり残念な結果になってしまった。冥福を祈ると同時に、どうすればこの憎しみの連鎖を収束させることができるのか、我々ができることがあるのだろうか、と自問する。 斎藤さんの事件が起こって以来、家族の代表として記者会見に臨んだり、コメントを出してきた弟さんの態度を「潔い」「覚悟を持っている」と誉める人は少なくなかった。 ただ、僕は最初の会見の時の弟さんの「政府や国民の皆さんに多大... [Read More]

Tracked on May 31, 2005 at 04:43 PM

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