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February 26, 2005

日帰りベイルートの旅 3 (24日)

IMGP3937続けてハリリ前首相が爆殺された現場にも足を運んでみた。バグダッドでは見慣れた風景なのだが、突如として地中海の背景に切り替わり思わず足がすくんだ。海岸沿いの通りの中心で爆発があったらしく、道路を挟んで二つのホテルがひどく損壊していて、どす黒い焦げあとが生々しい。とくにハリリ氏がいたというホテルは、上部が大きく崩れ落ち、遠くからでよく確認できなかったが鉄骨のようなものなど様々なものがひしゃげていて、爆発の凄まじさを物語っていた。

立入禁止の境界線付近で現場を眺めていた若者二人に声をかけてみると、実に気さくに応じてくれた。二人はベイルートアラブ大学に通う学生で、ムハンマド君19歳とウィサム君20歳。これから顕花に向かうところだと言う。爆発当時の状況を聞いていると、向こうから「誰がやったと思う?」と聞き返してくるので、先日のユスフさんの見解なども参考にしながら話すと、「もちろん。シリアが関与しているなんてあり得ないよ。ここベイルートでも傾向としてはイスラム教徒がシリア関与説を否定していて、その他の宗教の人々が怒りをシリアにぶつけているって感じ。こうしてレバノン内に対立を生み出して、一体誰が得をするかってことを考えれば、やはりアメリカかイスラエルが関与していると考える方が自然だよね。新たな紛争が起こればイスラエル軍がまたレバノンに簡単に入ってきやすくなるだろうし、アメリカがシリアを叩く理由にもなる。」

聞いていて、昨年バグダッド滞在中キリスト教の教会が立て続けに爆破されたときに何人かのイラク人から聞いた話を思い出した(関連情報)。元々平和に共存していた宗教や宗派、民族間の対立を煽り立てることにより軍事的介入の口実を拵えていくのは歴史上大国の常套手段ではあるが、今のイラクで、そしてここレバノンでも同じ手が使われようとしているのかもしれない。どうして人間はいつの時代も歴史から学ばないのだろうか。たしかヘーゲルあたりがいっていたような覚えがあるのだが、人間が歴史から学べることがあるとすれば、人間は歴史から何も学ばないということなのだろうか。しかし反シリア一色という印象だったベイルートで、さっそくこうした若者に出会えたのは嬉しかった。
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