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August 14, 2004

サッカーボール&ショートストーリー(8/12)

グリーンゾーンにいる友人を訪ねた帰り道、サラマッドの車が後ろからぶつけられる。一昨日もぶつけられて右側後部座席のドアが凹んだばかりだ。つい先日買い換えたばかりの新車だというのについていない。

日本からサッカーボールが届いたということで、Sさんの家に取りに行く。このサッカーボールはパキスタン製のフェアトレード商品で、グローブ大分というところからイラクに送ってほしいとJVCに託されたもので、そして高遠さんが中心となって出来たイラク・ホープ・ネットワークに寄付されたという形になっているようだ。バグダッド市内の小学校や孤児院にSさんとPEACE ONで手分けして配ることになった。

Sさんの家では、高遠さんたちが拘束されている間、彼がサラマッドたちと解放に向けて、彼女のこれまでの活動を、メディアを通じて犯行グループ、そしてイラクの市民に伝えようとどのような働きかけをしたか、またどのような気持ちでいたのかなどじっくりと聞くことが出来た。高遠さんのことを日本の娘と呼ぶSさんにとって、あの解放までの日々は本当に言葉では言い表せないほど大変な時間ではあったが、同時にこれほどまでに日本の市民との連帯を感じたこともなかったという。解放の一報が入ったときは、近所で祝いと歓喜の声がわき起こり大変な騒ぎだったとか。大新聞も一面で取り上げてくれたりして、おかげでイラクの市民もこのような日本人がイラクに来ているということを知ることができたし、そしてわれわれイラクを支援するNGOの間でも新しいネットワークが生まれるなど、とてもいい流れが出来つつあるので、今後はこの災いを最大限福に変えていこうじゃないかと意見が一致した。

ところでSさんはよく詩や物語などを作っているが、ここでひとつ彼のショートストーリーを紹介。

                 Short story
Noriaki : hi
Sameer : hi
Noriaki : where are you from
Sameer : I am from Iraq, and you
Noriaki : I am from Japan
Sameer : I know Japan, your flag is white with red circle in the meddle
Noriaki : How come that you know the flag of Japan? And you are only small kid.
Sameer : Because I love Japan, and my teacher learned me all flags of Iraqi’s friend countries.
Noriaki : But I also love Iraq
Sameer : So, please ask your teacher to teach you Iraqi flag, it is with four colors.
Noriaki : So deska
Sameer : what is so deska?
Noriaki : it means is that so, in my language
Sameer : I see, you have nice language
Noriaki : what the name of your language
Sameer : it is Arabic
Noriaki : Ah Arabu go…..I know it
Sameer : How you know it?
Noriaki : I know Ali baba, and Ala’a Al Deen
Sameer : yes you are write they Arabic stories
Noriaki : tell me how you say in your language GOOD DAY
Sameer : Nahar Jameel
Noriaki : Nahar Jameel
Sameer : exactly, just
Noriaki : OK, what do you say to your father, at night after he kiss you?
Sameer : what?
Noriaki : what do you say to your father, at night after he kiss you?
Sameer : But I don’t have father
Noriaki : why, is he in business trip?
Sameer : No he was killed
Noriaki : Killed? Honto, Doshtee….. why he was killed
Sameer : in the war
Noriaki : what is war?
Sameer : I don’t know, but I know the sky start raining bombs,
Noriaki : Waw, honto?
Sameer :what is honto
Noriaki :means is that right?
Sameer : yes honto
Noriaki : so you have no father?
Sameer : yes no father
Noriaki : Then who kiss you at night?
Sameer : My mother, but my friend has no mother also
Noriaki : so how take you to school?
Sameer : I am not going to school, my mother said “ school is bad”
Noriaki : why she say so
Sameer : I think because she has no money to buy me new clothes
Noriaki : I see
Sameer: yes
Noriaki : Where is your money?
Sameer: I don’t know, do you have money?
Noriaki : I think so, because my father often by chocolates for me
Sameer: what is chocolates
Noriaki : I can’t teach you so many things, I must go
Sameer: OK, you go, but please let your teacher teach you the Iraqi flag
Noriaki : Ok
Sameer: and please tell your father not to buy war, it is very bad
Noriaki : OK, I will tell him
Sameer: let him keep buying chocolates for you, and kiss you at night it is nice especially in your birth day.
Noriaki : Hi, Sayonara

以上とても簡単な英文なのでとり急ぎ訳はなしで紹介します。(本人の承諾を得て掲載しています。)

Sさんはこの物語を通じて、イラクと日本の日常の大きな違いと、イラク人がいかに日本人のことが好きで、日本人がいかにイラクのこと、戦争のことを知らないか、そしてもっともっとイラクの現実を知ってほしいという願いを表現したとおっしゃっています。

事務所に戻り、サラマッドが帰ってしばらくすると、突如耳を劈かんばかりの銃声が響き渡る。近い。ババババババババババババと再び玄関付近からもカラシニコフの連続射撃音が。まさにこの事務所が包囲され、今にも武装集団がドアを蹴破って侵入してくるのではないか、ついにこの事務所も外国人が出入りしているということで狙われてしまったのではないかという恐怖に駆られる。戦時下の浄水場で地上戦が数百メートル先に近づいてきたときもかなり緊張したが、当時は周囲にイラク人職員や人間の盾メンバー、その中には軍事ジャーナリストまでいたのでかなり安心感があった。しかしこれほどの至近距離での銃声をたった一人で体験する恐ろしさはまた別格である。冷静にならなければと、必死で心を落ち着かせてサラマッドに電話をかけるが、ダイヤルする指は震えていた。「大変なことになった。事務所の周囲で銃撃戦が・・・」と囁くように話すと、なにやら可笑しくてしょうがないといった口調で、「こっちもだよ」。「What?」「サッカーでイラクがポルトガルに勝ったんだよ。祝砲、祝砲」とのことである。なるほど、これまでもサダムの息子のウダイ、クサイが殺されたときや、サダムが捕まったとき、その他なにかめでたいことが起こったときなど、一斉に祝砲をあげるとは聞いてはいたが、まさかこれほどまでに凄まじいものだったとは。緊張、恐怖感は一気に脱力感に変わり、気の抜けたような笑い声となって乾いた銃声とけだるく共鳴した。ふと窓から夜空を見上げると、時々打ち上げられていく弾道の軌跡が光として確認できて、あまりやる気があるとは思えなかったイラク軍による地対空砲火を思い出させる。しかし祝砲といってもこれほどたくさんぶっ放すわけだから、その全てがやがて地上に落ちてくると思うとゾッとする。実際それで怪我をしたり死亡したりするケースも多いと聞いていたので、もちろん安心したからといって外に出て様子を眺めるなどの行為は控え、おとなしく事務所で祝砲鑑賞?に浸る。

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Comments

本日の天気予報
晴れのち曇り
ところによって弾の雨が降るでしょう!
外出は控えてください

Posted by: wattan | August 15, 2004 at 12:47 PM

wattan,どうも。今晩も確かサッカーの試合があるので、降るかもしれません。今日から延び延びだった国民大会議が始まったので、さらに気を付けますね。

Posted by: YATCH | August 15, 2004 at 08:06 PM

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