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August 04, 2004

バグダッド中央教育子ども病院(8/2)

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抗がん剤をバグダッド中央教育子ども病院に届けに行く

J医師に聞くと、特に抗がん剤はまだまだ不足している状態なのでわずかの寄付でもとても助かるとのことだった。保健省からは以前と比べたら医薬品が届くようになってきてはいるものの、組織化がまだまだ十分ではないことから、期限切れ寸前の医薬品が大量に送られてきてしまいほとんどが無駄になってしまうこともあると嘆いていた。中には一瓶30万円もする抗がん剤もあるというから大変である。また、医療器具や病院内のメンテナンスなどには全く予算が下りてこない状態で、やはり世界の助けが必要だとのこと。特に医師の医療技術に関しては、元々世界でもイラクのレベルは高かったものの、1970年代後半から止まったままなので、世界の最新の医療技術を学べる環境を整えたいのだが、この治安ではなかなか難しいと言っていた。ここ最近世界中のNGOの働きかけで、イラクの医師が国外で研修したり他国の医師と会議を持つ機会がふえてきたりしていることは、そうしたイラクの医師達の声が反映されているのだと思う。

日本は被爆国なので、イラクでアメリカ軍が使用したウラン兵器による放射能の影響が強く疑われている白血病をはじめとするガンの子ども達のことを気にかけてくれる人が多いと伝えると、これまでどの国よりも日本の援助がありがたいと思っているし、それはこの病院の皆が感じていることだと言ってくれた。これから日本に期待することは、新しいガンセンターの建設と、医師が世界に出ることに協力してほしいとのこと。日本政府がイラクに3つの病院を建設するらしいと先日ラジオで聞いたとのことで、本当ならばとてもありがたいと喜んでくれた。確かに一日隊員一人の危険手当だけで2万4千円、そして先日亡くなった橋田さん曰く一日1億円かけて2百万円分の水しか作らないという実に費用対効果の悪い戦闘部隊を人道支援の美名の下に送り込むよりも、同じ被爆国としてイラクの医師にもう少し耳を傾けた支援が出来ないものか、まだまだ働きかけていかねばならないと反省した。

説明を受けた後、いつものようにガン病棟の子ども達を見舞う。各部屋6ベッドで6部屋あるのだが全て満室であった。一年間に240人ほどの新患の60%はバグダッドの外から来るという。バグダッドの二つの病院の他、あとはバスラくらいしかガンを見てくれる病院がないからだ。ガンによる子どもの生存率は20%以下と戦前とほとんど変わっていないし、J医師は、原因は聞かないでくれと言うが、相変わらず発症率は増え続けているという。昨年の戦争ではバグダッドで大量のウラン兵器がばら撒かれてしまったので、これから数年後、現在バスラで起こっているような悲劇が繰り返されるのかもしれない。こうした見えない脅威に、どのように対処していけばいいのだろう。原因は何であれ、このようにガンの子ども達が増えているのは間違いないのだから、戦争の加害者として日本が果たすべき責任はあまりにも大きい。

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Comments

8/3(火)18:30開場=Mr.Ken O'Keefe・きくちゆみさん・佐藤真紀氏の講演を聞いてきました。佐藤氏のJVCの活動への思いや、きくちさんの深い心からの語り、終演間際に来日即会場入りされたMr.Kenの熱く難しい投げかけ・・・
 進行に徹していた吉村氏との素敵な関係も垣間見られた濃い3時間でした。世界には自ら選択できない脅威がこんなにもたくさん・・・
 自分は少なくとも自分の行動を選択できる。その時間をどう使うか、しっかり考えないといけないと改めて感じています。

Posted by: kero | August 04, 2004 at 08:18 AM

keroさん、いつもコメントありがとうございます。ケンさん間に合ったんですね、よかった。

Posted by: YATCH | August 05, 2004 at 12:51 AM

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