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August 20, 2004

再びクバイシ先生(8/18)

mrkubaisi/IMGP3101
再びウム・アル・コラモスクへ。高遠さんの友人でラマディに住んでいるカスムという青年が書いた手紙をクバイシ先生に渡しにいくためだ。カスムはイラク再建のために立ち上がり、ラマディ、ファルージャの青年有志を集め新しいNGO、Rebuild Youth Organization ( RYO )を組織してファルージャの学校再建プロジェクトに着手していて、現在アンマンまで出向いて高遠さん達と打ち合わせ中だ。このプロジェクトには地元の若者の雇用の創出という側面もあり、また、彼等は外国人武装グループに取り込まれている地元の若者の説得なども行っており、すでに何人かは戦闘に加わるのをやめて再建プロジェクトに加わっているというから、何とも頼もしい話である。この度、高遠さんたちが日本で集めてきた義捐金を彼等のプロジェクトで効果的に使ってもらうために、ファルージャに強い影響力を持ち人質解放の際にも大変お世話になったイラク・イスラム法学者協会の協力を得ようと、カスムが尊敬するクバイシ先生に手紙を書いたのだ。彼が今月末にイラクに帰ったら改めて直接挨拶と説明に行くのだが、その前にイラクと日本の若者同士がイラク再建のための共同プロジェクトを進めているということを説明するために、メールで受け取った彼からの手紙を日本人である私が直接届けに行ったというわけだ。

多忙にも関わらず時間を作ってくれたクバイシ先生は、イラクと日本の若者同士の連帯によるこのプロジェクトを大変喜んで、全面的に協力すると言ってくれた。法学者協会はファルージャ地域住民から絶大な信頼を得ているし、地元企業にも強いコネクションを持っているので資材を安く仕入れることが出来るなど、様々な面での協力が期待できそうで大変心強い。動き始めたこのイラクと日本の若者の共同再建プロジェクトに、良い風が吹くことを私も切に願う。

また、クバイシ先生は日本での滞在の日々を振り返りながら、いろいろな話をしてくれた。イラク人の彼ですらあの湿度の高い日本の蒸し暑さには辟易したという。たしかに連日摂氏50度のイラクの夏の熱さもすごいが、私も正直にいうと日本の夏より過ごしやすいような気がしている。また、日本でも様々な宗教が混在しているにもかかわらず、市民と接している限り、それぞれが違いを乗り越えてひとつになっている印象を受けたという。様々な宗教とは言っても日本とイラクを同列に扱うことは難しいが、「日本でも」と強調されたところから、イラクでも同様に宗教の違い、宗派の違いにかかわらずひとつになっているのだということを伝えたかったのかもしれない。そして最後には、どこに行っても年配の方々が多く、子どもをあまり見かけなかったことについて心配されていた。少子高齢化問題について説明すると、それは早急に解決すべき問題だと思うと強い調子で言われた。
basaernews/IMGP3148
法学者協会が発行する新聞「AL-Basaer」から

そういえばイラクでは人口の半分以上を18歳未満の子どもが占めるという、いわば子どもの国である。たしかにイラクではどこに行ってもちびっ子だらけで、その爆発的ともいえる元気のよさと、戦時下でも笑顔を絶やさない逞しさに接するたびにいつも不思議な元気をもらっている。イラクに来るたびに救われるちびっ子たちの笑顔。それはどこでもいつの時代でも、人類の希望であると思う。しかしこのイラクで、昨年の戦争から連日伝えられる犠牲者、そして今日も殺され続けている人々の中には子ども達も多く、また、10年以上に及ぶ経済制裁が原因で亡くなった150万人とも言われる犠牲者の半分以上は子ども達であるという現実を、決して忘れてはならない。

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Comments

 自らの力では防ぎようの無い核による影響を受け産まれてくる子ども達。ほんの一瞬しかこの世で呼吸する時間を与えられない命。
 その大切な命を失う悲しみを抱いて生きていかなければならない人達。
 日本ではあまり想像できない『生きたくても生きられない子ども』がどれほど多い事か。世界中で今何が起こっているのか、誰が何をしているのかをしっかり見続ける努力を、私達は怠ってはいけませんね。
 そしてはっきり「NO!!」と言う勇気も…

Posted by: kero | August 21, 2004 at 08:29 AM

シバレイさん、高遠菜穂子さんのブログと共に、いつも読ませていただいています。イスラム圏の報道HPには、日本のテレビでは決して見ることのない悲惨な写真が掲載されていますね。日本の報道のあり方も含めて、戦争の実態だと思います。

どうか気をつけて、取材をお続けくださいませ。

Posted by: こっこ | August 21, 2004 at 11:14 AM

私が微力ながらも今の反戦活動しようと思ったきっかけは豊田和己さんのイラクの子どもたちの写真展を見たことでした。劣化ウラン弾の影響と見られる痛ましい病状の子ども達。子ども達というのは本当にYATCHの言う通り“人類の希望”だと思っています。名古屋で虐待を受けている子どもとその親を援助する活動に尽力した今は亡き祖父江さんはあるときこう記されていました。「時代はいつも絶望的でした。しかし小さい人たち、彼らがいるから重い21世紀への扉を開きましょう。」と。うろ覚えのままここに紹介したから不正確ですが、大意はそのままです。私や周囲に希望を与える活動をし続けていた祖父江さんの述懐は心に迫るものがありました。YATCHと重なるね。イラクの人とともに今日も元気でいてください。

Posted by: 千代 | August 21, 2004 at 12:38 PM

ナジャフのサドル師のことは、日本で情報がかなり錯綜してい
るようです。実際どのように進んでいるか、テレビや新聞を読
んでもわからない感じがします。それに、サマワの紛争のこと
は報じられていますが、自衛隊の活動については全くといって
よいほど目にしません。オリンピック報道が邪魔しているのか
、それとも何かの力が働いているのか、報道する人がいないの
か。マスコミの夏ばて、熱中症?
イラク・イスラム法学者協会の方々や一般市民は、今回の暫定
政府の行動についてどう感じているのでしょうか。もやもやが
多い気がするのですが。

Posted by: Shalom | August 21, 2004 at 11:39 PM

Keroさん、
そうですね。まずは知ること、伝えること、そして少しずつでも自分の出来ることから取り組み、続けていくことでしょうか。

こっこさん、はじめまして。
戦争の本当の悲惨さも、その中で生きるひとりひとりの人間の生の輝きも、日本のメディアではなかなか伝えられていません。私はジャーナリストではありませんが、報道から零れ落ちていくひとりひとりの声、悲しみ、希望などを、一市民としてつなげていきたいと思っています。

千代さん、いつもありがとう。
本当の希望は、絶望の奥底からしか掴み取れないんだと思います。

Shalomさん、こんにちは。
サドル師についてはこちらでもよくわからないことが多いです。支持する人、今は戦うときではないと批判する人と、イラク人一人ひとりの意見もずいぶん違うようです。

Posted by: YATCH | August 22, 2004 at 02:39 PM

Shalomさん、そういえば時間がなくて伝えられませんでしたが、ナジャフのサドル師に対する暫定政権の対応について、法学者協会は、イラク人がイラク人を殺すのはハラーム(禁忌)だと非難する声明を出していました。また、ムクタダは確かに政治的なミスをしたが、本来は芯の強い立派な人物。イメージが悪くなったのは占領軍にはめられただけだという声も聞きました。

Posted by: YATCH | August 27, 2004 at 02:15 AM

Hi there friends, pleaѕant piece of writing and pleasant urging commented at this place, I am really enjoying by these.

Posted by: kitchen cabinet remodel cost estimate | August 27, 2014 at 01:35 PM

Havving read this I thought it was very informative. I appreciate you finding the time and effort to put this short article together. I once again find myself personally spending way tooo mufh time both reading and commenting. But so what, itt was still worthwhile!

Posted by: remodel rooms | September 16, 2014 at 11:39 AM

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